21年3月改正について

 2021年3月に予定されているJR各社のダイヤ改正について、関東地方の動きを中心にお伝えします。

 

 

全国的な動向

21年3月ダイヤ改正では、JR東海を除く全てのJR在来線において、特急減便や終電繰り上げといった動きが生じる模様です。九州の特急「有明」廃止や西日本の「日本一遅い終電※」の繰り上げ等、暗い話題の多い改正となりそうです。

※…JR西日本神戸線普通西明石行き。(西明石1:38着)

 「新しい生活様式」の普及や将来の人口減少を鑑みれば「コロナ禍が過ぎれば元通り」とはならない可能性もあります。特に地方のローカル線はその影響を大きく受けてしまうものと思います。現にJR北海道では宗谷本線の乗降の少ない駅を多数廃止するという発表がありました。特に北海道は財政難が続いており、今後も駅の廃止が考えられます。このような状況下にありながら、東海道新幹線だけはN700系列への車両統一完了により一部列車の所要時間短縮を予定するという積極的攻勢に出ておりました。

 20年3月改正同様、イベント無きダイヤ改正となりそうです。現在新型コロナウイルス感染再拡大が続き、感染者数最多記録を更新し続けている状況を鑑みれば止むを得ないことと思いますが…

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仕事が減った787系。(2019年撮影)

JR東日本-関東地方での動き

新幹線

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E4系連結部。(東京にて2018年撮影)

 上野~大宮間最高速度が130km/hに向上することに伴い、東北・上越北陸新幹線では所用時間が1分ほど短縮となります。本改正での数少ない「明るい話題」となりそうです。また、E7系増備が進行しており、E4系は2021年秋に引退と発表がありました。

在来線特急

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高尾まで来なくなる予定のNEX.

 湘南ライナーの特急「湘南」への昇格は予定通りの模様です。また、185系も本改正にて引退すると発表がありました。特急「湘南」については別記事で詳説します。

 また、高尾発着NEXが八王子始発に短縮されます。

湘南新宿上野東京ライン系統

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上野にて。(2018年撮影)

東海道・宇都宮・高崎の各路線の通勤快速が廃止となります。これにより、定期で横浜駅通過の列車は「湘南」のみとなります。また、宇都宮線快速が東大宮に停車します。これにより運行系統単純化・利便性向上となりますが、代替措置として上野経由の宇都宮・高崎線快速は全て尾久駅を通過するとは言え通勤時間帯はスピードダウンとなりそうです。

東海道線高崎線宇都宮線の日中の列車の本数を見直し」という文言がありましたが、発表資料にこのような記載がある場合はほとんどは「見直し」=「減便」と言えます。 大宮~横浜については京浜東北線などが並行しており、多少減便しても十分な輸送力が確保されていることから、日中時間帯の一部減便の対象に選ばれたものと考えられます。

 その一方で、朝ラッシュ時に1本だけ存在していた湘南新宿ライン宇都宮線経由の10両編成が15両に増車となり、ラッシュ時間帯オール15両化達成となります。資料には「宇都宮線朝の上り電車本数見直し」という文言がありましたが、実質的には増車減便となり、ラッシュ時輸送力低下は最低限のものとなりそうです。

常磐線各駅停車

  休日は我孫子~取手で各停の運転を取り止める模様です。これにより、同区間平日朝晩のみの運行となります。同区間常磐緩行線はますます存在意義が薄くなりそうです。

山手線

「山手線朝ラッシュ時本数見直し」という衝撃的な文言がありました。昼間ならばまだしも、朝ラッシュ時の山手線減便は前代未聞の事態です。D-ATC導入による高頻度化をE231系導入時に行って以来、本数はさほど変化していませんでした。

 やはり昨今のコロナ禍の影響から、乗客の減少に伴う減便の動きが目立つ改正となりました。尚、首都圏の終電繰り上げについては別記事にてお送りする予定です。

 

ダイヤ改正とは関係ないですが、全国ほぼすべての主要路線で年末年始終夜運転が中止となり、臨時列車も例年より減少しました。初詣等、新年ならではの行事はたくさんありますが、今冬は我慢した方が良さそうです。

 

参考

ニュースリリース:JR東日本

ニュースリリース:JR西日本

ダイヤの見直しについて