京急の安全性について

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2018年撮影。

 先日、京急の所有する電車の非常制動試験を実施したところ非常制動距離が690mになってしまった編成があるという衝撃的な報道がなされました。いわゆる600m条項※は今は「解釈基準」であることから違法ではないものの、京急を始め多くの鉄道事業者が600m条項があることを前提にシステムを構築していますので、安全な状況とは言えません。 ※…かつては非常制動をかけてから600m以内に停止する義務があった。

 このまま120km/h運転を続けるならば制御装置類更新による空転制御の高精度化が必要です。制御装置類を更新しないならば踏切のある区間の120km/h運転を止めるか踏切に対策を施す必要があります。

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 踏切対策の一つとして、C-ATSは軌道回路デジタル伝送方式であることを生かし、非常停止ボタンと連動して周辺の軌道回路を停電させるシステムが挙げられます。軌道回路停電時は車上で「停止信号冒進」と判断され即非常制動となりますから、一瞬迷うとか特発がよく見えないといったことでのブレーキかけ遅れを防止できます。

もちろん、立体化による踏切排除が完璧な解決策ではあるものの、完了まで10年以上かかるケースも珍しくは無いので、それまでの対策は必須です。今回は特に見通しの悪い特殊発光信号機を移設して対応した※ようですが、強制的に非常停止させるものを導入しないないなら、そもそもの特発設置基準変更や追加の防護策が検討されても良いのではないでしょうか。特に設置基準は2000形の空車かつ乾燥時の制動距離としている※ことから、これを1500形(もしくは600形)の乗車率100%かつ雨天とし距離に余裕を持たせておくべきかと思います。

※事故調査報告書<https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/detail.php?id=1960>による。

 更に、4/8には金沢八景駅で列車が早発する事例が生じました。当駅は進行定位で進路も既に開通していたとはいえ、もし作業員などがいた場合接触の危険もあります。

 京急マンパワー頼みの面が大きく、ダイヤ乱れ時の柔軟過ぎる対応や、ごく短時間での連結作業など見所はたくさんあります。進路制御の際も他社のように自動進路構成とせずに人がスイッチを操作しています。しかし現場の人への負担は相当大きい模様です。その一方でホームドアをQRコード式連動とすることで負担削減しているように、将来の労働人口減少に備え少しは機械に頼る体制へと移行する機会ではないでしょうか。

  

おまけ

 京急公式HPで404エラーが出た場合はこんな画面でした。掲載されている写真の編成はよく見ると1404編成でした。なかなかの凝りようです(笑)

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京急公式HPでの404エラー時の画面。

参考

https://www.keikyu.co.jp/report/2021/post_260.html(リンク切れ?)

「京急」社員たちが悲痛告白、低賃金と重労働の驚きの実態とは | News&amp;Analysis | ダイヤモンド・オンライン