新型コロナウイルスの鉄道への影響

   新型コロナウイルス感染拡大に伴う全国規模の緊急事態宣言が発出されたことに伴い、JR九州在来線特急を運休する措置を決定しました。

 これは九州地方にハウステンボスや別府、阿蘇等の著名な観光地がたくさん存在することや、九州の在来線特急にはいわゆる観光特急が多いことを考慮したものと考えられます。また、乗客自体が激減する状況下では特急を運転する意味が薄いのも事実です。但し、大分、宮崎、長崎、佐賀の四県への速達手段が無くなるので、どうしても必要な外出の際にはかなり不便になるかと思います。

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観光特急の例(2019年3月撮影)

 一方、新幹線の運休はありません。これについては、乗り入れ先のJR西日本との調整が必要なことが理由だと推定されます。

他のJR各社でも、臨時便の運行を取り止める措置等が見られます。中でも、昨年の台風で一挙にE7系10編成を失い、運用に支障が出ていた北陸新幹線は皮肉にも「減便措置により助かった」恰好になりました。また、今年3月にデビューしたばかりのE261系「サフィール踊り子」も早速運休の可能性もあります。

私鉄特急は今のところ大きな動きはありませんが、著名観光地への特急を走らせている会社(小田急東武、西武、近鉄、南海)には今後何らかの動きがある可能性があります。個人的な憶測では、これらの会社では昼間の観光特急の運休が考えられます。

 

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小田急新宿駅にて(2018年10月撮影)

というのも、全ての観光地に万全の医療体制が整っている訳ではありません。地方では医療体制が貧弱で、新型コロナに対応が難しい所もあるからです。それにも関わらず、観光地への人出は減少しておらず、現地の方々も対応に苦慮しているようです。

 車で行けば道中の感染リスクは減るので観光しても大丈夫だという論調も見かけますが、同じ考えで車で行く人が増えれば結局観光地がいわゆる「3密」になってしまい、新コロナに感染する可能性が高まります。また、自分が感染に気づかぬ内に、現地の人に広めてしまう可能性もあります。(車から一切外に出ずに観光すれば問題ないですが、そんなことはまず不可能でしょう)

 

   一方、先日、小田急新宿駅員に新コロナ感染者が発生しました。窓口係でしたが利用者の濃厚接触者は居ないようです。以前にも、横浜線淵野辺駅員に感染事例があったこともあります。鉄道事業に携わる方々の感染拡大による減便・運休なども考えられるので、今後も動向を注視していきたいと思います。

 

 

最後にもう一度申し上げます。

 

地方は安全ではありません。

 

地方では医療体制が脆弱なので、一人の身勝手な行動により医療崩壊が起きるような所も多いのです。

 

もうすぐGWですが、くれぐれも地方への観光も行かないようお願いいたします。

 

参考:

人出減らす難しさ露呈 観光地の人出 一部で増加も 新型コロナ | NHKニュース

別荘で“おこもり生活”観光地は困惑「旅行自粛を」(テレ朝news)